2008 Restaurant Guide Tokyo

2007年秋に世界的に有名な、フランスの某タイヤメーカーによるレストランガイドの2008年東京版が初めて出版されました。発売前から大評判だったので、売り切れの書店も続出したようです。2ADスタッフのひとりがなんとか手にいれてきたので、さっそく手にとってみました。
ページを開いて衝撃を受けました。その内容に対してではありません。本文の文字組みに対してです。メジャーの出版物でこれほどひどい文字組みのものを見たのはおそらくこれが最初だったと思います。その後もここまでのものは見た事がありません。
音引きや促音、拗音が行頭にきたり、始めかぎかっこが行末にきたり…と、ごく基本的なルールさえまったく守られておらず、それは毎ページにおよび、とても読み続けられるものではありませんでした。店名の間にあるスペースが行の頭に来ている個所もあり、これは出版事故だと思いました。

*サンプルは実際の文字組を再現したものです。

後にレイアウトソフトの機能に関しての理解不足が招いた結果だと聞いたことがあります。しかしレイアウトに関与しているのは、デザイナーあるいはオペレーターだけではなく、チェックする編集者もいればライターも存在するはずです。なぜ、そのチェックをかいくぐって、このようなかたちで出版にまで至ったのかはとても不思議です。
このガイドブック自体は、マスコミの扱いも大きくニュースやその他で取り上げられ、出版自体は大成功だったようです。しかし、この文字組みに関しては何の話題にもなりませんでした。購入した大多数の人がこのガイドブックを読むのに、さほど違和感を感じなかったということでしょうか? むしろそのことにショックをうけました。

レストランガイドだからというわけではありませんが、文字組みというのは寿司で言えば酢飯みたいなもので、いくらネタが超新鮮で一級品であっても酢飯がグチャグチャでくずれかけていたら食べる気も失せてしまいます。

翌年からは、文字組みもレイアウトも見違えるように改善されて出版されていますが、初刊としてはちょっと残念な結果でした。
(2011_sep_t)